ポリエステルの環境負荷

ポリエステルは石油からできている。

ポリエステルの原料は石油です。
合成繊維、プラスチック繊維とも言われています。

ポリエステルは世界で流通している合成繊維の78%を占めていて、

世界中で生産される繊維の55%がポリエステルとも言われています。

服一着分のCO2排出量を比較するとポリエステルのほうがCO2排出量は少ないです。
ポリエステル11.9kg
ウール23.4kg
コットン14.9kg

(ノルウェーの環境団体「Framtiden i vare hender (Future in our hands英語表記)」より)

ですがポリエステルは生分解されるのにおよそ200年以上もかかってしまうのです。

処分されたポリエステル製品はどうなるの?

家庭で不要になった衣服はすべてリサイクルされていはおらず、
ゴミになり焼却されてしまっていて、
ポリエステル製の衣服も例外ではありません。

運良くリサイクルに出されたとしてもポリエステル含め、化学繊維はリサイクルが難しく、
最終的にはサーマルリサイクルとして焼却されています。

サーマルリサイクルとは焼却したときに発生する熱を利用する方法で、
国際規格ではリサイクルとは認められていません。
燃料として使われるだけ、ただの焼却よりはマシってことですね…

その他のリサイクル方法としてはマテリアルリサイクルとケミカルリサイクルがあります。

マテリアルリサイクルはウエスにして工場で雑巾などに利用したり、
細かくしてワタに戻して「反毛」としてフェルト・内装材などにするリサイクル方法ですが、
ポリエステル含め、化学繊維はウエスなどに利用して工場で再利用するのには適さず普及していません。

ケミカルリサイクルはもう一度原料に戻して新しい製品に再生する方法です。
技術的にまだまだハードルが高く、一般的に浸透していない状況です。

プラスチックゴミのリサイクル率を見てみると、
ケミカルリサイクルはたったの4.4%!
しかも4.4%の中には本来の意味でリサイクルと言えないコークスなどの燃料にして燃やして使用する方法も含まれているので、環境負荷を減らすためのにケミカルリサイクルされた数字は更に低くなってしまいます。

ファッション業界でのリサイクル事業はミツバチマークの「BRING」が有名ですが、
使われなくなったポリエステル製品が新しい洋服として生まれ変わることが当たり前になると良いですね!

海洋マイクロプラスチック問題

UNEPによるとプラスチック繊維で作られた衣服の洗濯によって、
毎年50万トンものマイクロプラスティックが海に流れ出ているそうです。

マイクロプラスチックの20〜30%が合成繊維によるものというリサーチもあります。

ポリエステルは生分解されないので、海に流れてしまったら200年以上も自然界の中に残ってしまいます。
その上、海洋マイクロプラスチックを回収する技術は現時点ではありません。

脱プラスチック社会へ!

2020年10月に日本政府は2050年までに脱炭素社会の実現を目指すと発表しました。

脱プラスチックと脱炭素社会は切っても切り離せない関係で、
脱炭素社会にするためには新たな温室効果ガスを出さないことと、
すでに大気中にある温室効果ガスを吸収する必要があります。

新たな温室効果ガスを出さないことは、できるだけ化石資源に頼らないこと、
つまり脱炭素社会の実現には脱プラスチックを目指すことが不可欠なのです。


そのためには化石資源由来のプラスチック素材から、
植物性のプラスティック素材などの再生可能資源に変えていくことが必要です。


2050年の目標に向けて、環境省も従来のプラスチックに変わる、
バイオマス、生分解性プラスチック、セルルース・ナノファイバー、紙などの代替品の開発や、
プラスティックのリサイクル技術の開発などを支援しています。

ポリエステル製品の選び方

洋服を買うときにはできるだけポリエステル製品は避けましょう。
特に洗濯の必要なアイテムはマイクロプラスティックの流出を抑えるため、天然素材を選びましょう。

レインコート、アウトドアウエのアイテムの場合は、
リサイクルポリエステルなどの環境に配慮されたものを選びましょう。
もしくはUSED製品を選ぶことも地球に優しいチョイスです。

そして、なんといっても手持ちの洋服を大切にして、
できるだけ長く使い、新しい洋服を買わないようにしましょう。
着られなくなってしまったものは、寄付やリサイクル!ですね。


出典、参考

Future in our hands 
https://www.framtiden.no/

環境省 HP / 脱炭素ポータル

国連連合広報センターHP/ 国連、ファッションの流行を追うことの環境コストを「見える化」する活動を開始

UNEP

一般社団法人 プラスチック循環利用協会HP / プラスチックリサイクルの基礎知識 2021

14歳からのプラスチックと環境問題/ インフォビジョン研究所 著

中村和代・藤田さつき著「大量廃棄社会 アパレルとコンビニの不都合な真実」光文社、
2019年4月16日